クラコールPBXとは安価で導入ができると評判のクラウドPBXサービスです。
内線の台数が多ければ多いほどお得なサービスで、内線の台数に応じて基本料金が変わるクラウドPBXサービスの中では特異な料金設定として注目されています。
費用面でのメリットが大きいサービスですが、使える機能はシンプルです。
評判から、できること・できないことを理解し導入を検討しましょう。
クラコールPBXとは
出典：クラコールPBX公式
クラコールPBXとは、株式会社三通テレコムサービスが提供するクラウドPBXサービスです。
クラウドPBXは、従来のPBXやビジネスフォンの主装置をクラウド上で管理し、スマホやSIP電話機など内線電話機として使用できるサービスです。
従来のPBXで必要だったオフィスに設置する機器をなくすことで、機器の導入費用やメンテナンスの手間を削減できるメリットがあります。
クラコールPBXは「便利に使えて、コストも削減」と謳っています。
スマホの内線化などの便利な機能が、初期費用0円、月額費用も抑えた低コストで導入できるサービスです。
クラコールPBXの基本機能
クラコールPBXはメッセージアプリなど、外部ソフトウェアの連携はできません。
電話システムとしてシンプルに利用することに特化しています。
そのため「自動音声アナウンスに独自音源を利用できない」「留守電機能では操作ミスがあった場合録音されない場合がある」など、利用の際に注意が必要な機能があります。
運用方法を確認し、導入に問題がないか検討しましょう。
スマホやPCを内線電話機として活用
クラコールPBXでは、SIP電話機の他にスマホやPCを内線電話機として活用できます。
ソフトフォン(アプリ)は別途用意が必要なものの、既存の機器にソフトウェアを追加するだけで利用できるので、導入時の機器代を削減できます。
費用面でのメリットだけでなく、スマホを内線化し、内線通話や転送機能を活用することで社内連絡を活性化させたり、電話の取次ぎの手間を減らせます。
パーク保留やピックアップはダイヤル操作で使用可能
従来のPBXやビジネスフォンと同様に、パーク保留やピックアップ機能も実装されています。
各機能はソフトフォン(アプリ)やIP電話機のダイヤル操作から使用可能です。
| 機能 | ダイヤル操作 | 備考 |
| 保留 | *0 | 自内線用の保留 |
| 保留解除 | ** | 保留状態から通話に戻る |
| 転送 | *6 「転送先番号」# | 転送先と通話後、通話を切断すると転送される |
| パーク保留 | *7 「保留番号」 | 他内線と共有する保留 |
| パーク保留ピックアップ | *7 「保留番号」# | パーク保留に応答 保留をした内線以外からも操作可 |
| ピックアップ | *8 | 他内線への着信を代わりに受ける |
※各種機能は、DTMF設定(プッシュ信号)により利用できない場合があります。
各機能のダイヤル操作は覚える必要があります。
利用頻度の高いものから覚えて、習得しましょう。
自動転送機能でいつでも応答できる
クラコールPBXは状況に応じて、着信先を変更する機能を利用できます。
- スケジュール転送：曜日や時間指定による転送
- ビジー転送：着信先端末が通話中の場合に転送
- 無応答転送：20秒間、着信に応答しない場合に転送
- オフライン転送：着信先端末がオフラインの場合に転送
各種転送機能を利用して電話に出られない状況を回避することで、ビジネスの機会損失を防げます。
自動応答でガイダンスを利用できる
クラコールPBXは各種アナウンスを自動応答で流すことができます。
独自で用意した音声ファイルが利用できず、固定のガイダンスから選択する必要があります。
企業名や営業時間をお知らせすることができません。
留守電は操作ミスで保存されない恐れがある
クラコールPBXは営業時間外や休憩時間など電話に応答できないシーンでは留守番電話を利用できます。
録音されたメッセージはWeb上から再生や保存ができます。
利用時の注意点として、
- 保存期間が10日間で、超過したものは削除される
- 留守番電話を1ユーザーとしてカウントされるので5ユーザー未満の場合は、基本月額料金が追加で必要
- メッセージを吹き込んだ人が、通話の最後に「#」を押さないと保存されない
10日間の保存期間が短く感じますが、留守番電話の使い方として、解除した時点でメッセージを聞き取るのが一般的ですので、それほど大きな問題はないと感じます。
ただ、メッセージを吹き込んだ人が「#」を押し忘れるという点が懸念されます。
大切な顧客からのメッセージを「#」の押し忘れで保存されなかった場合、言った言わないによるトラブルに繋がるリスクがあることを覚えておきましょう。
クラコールPBXの良い評判・口コミ5つ
クラウドPBXの主機能であるスマホ内線を便利に利用できることと、コストメリットを高く評価されています。
電話番号の取得については、悪い評判としても挙げられる点ですので、注意が必要です。
圧倒的な費用メリットがある
| 項目名 | 利用料金 |
| サービス基本料 | 1,078円/1ユーザー |
| 電話回線利用料(03-/050-) | 110円/1番号 ※ |
※別途ユニバーサルサービス料(月額2円/番号)、電話リレーサービス(月額1円/番号)、通話料(通話時間に応じて変動)が掛かります。
※料金は公式HPを参考に掲載しております。価格はすべて税込み表記です。
クラコールPBXで基本の月額費用は「サービス基本料 + 電話回線利用料」が必要です。
サービス基本料は、6ユーザー目からは無料で利用できます。
6ユーザー以上の利用では何人でも基本月額費用が5,390円で済みます。
例えば、10ユーザーで利用する場合だと、1ユーザーあたりの基本月額費用は539円となりますので、かなりお得に利用できると言えます。
10ユーザーで電話番号が1つだけの場合だと、基本の月額費用としては5,500円程度で使えるのです。
また、初期費用も0円で始められるのでスタートアップ等にも適しています。
主要都市では地域番号が使える
一部地域では、市外局番から始まる固定電話番号が取得できます。
【取得可能な電話番号(2022年現在)】
- 03：東京23区
- 043：千葉 ※1
- 044：川崎 ※2
- 045：横浜
- 0487：さいたま ※3
- 052：名古屋
- 06：大阪
- 011：札幌 ※4
- 050：全国
- 0800/0120：全国フリーコール
※1：千葉県佐倉市、千葉市(花見川区横戸町及び柏井町を除く)、八街市、四街道市、印旛沼郡酒々井町
※2：神奈川県川崎市、東京都町田市（三輪町及び三輪緑山に限る）
※3：埼玉県上尾市、桶川市、春日部市、さいたま市、蓮田市、 北足立郡
※4：北海道江別市、札幌市、北広島市、空知郡南幌町引用元：クラコールPBX｜サービス機能
050-から始まるIP電話番号に抵抗のあるユーザーは地域電話番号の取得を検討しましょう。
スマホとの内線通話や転送機能が便利
クラウドPBXの大きなメリットとして、スマホを内線化できる点が挙げられます。
スマホ同士やオフィスの電話機との内線通話や外線転送を、通話料を気にすることなく無料で利用できるので、社内連絡をスムーズに行え、業務の効率化にも期待できるでしょう。
例えば、従来ではオフィスで受けた電話を一度切って、外出中である担当者の携帯電話に連絡をし、担当者から先方へ折り返し電話をするといった手間が、外線転送機能を用いて軽減できます。
具体的な取次方法について、オフィスからスマホへの取次ぎを例に以下にて紹介します。
【オフィスからスマホへの電話の取次ぎ】
オフィスで着信を受ける
↓
転送操作でスマホの内線を呼ぶ
↓
転送の旨を伝え切断(外線とスマホが通話状態になる)
固定番号やフリーダイヤルもスマホで着信できる
休憩中などでオフィス内の人員が不足する場合にも、外線の着信をスマホで受けることができます。
これにより、電話番のためだけにオフィス内に人員を配置する必要がなくなり、社員の負担軽減にも繋がります。
また、ワーケーションや在宅などのシーンでも活躍する機能となるでしょう。
アプリの通信が暗号化されていて安心
サービスのセキュリティリスクを心配される方には、クラコールPBXはSSL(TSL)による通信の暗号化で応えます。
従来のPBXやビジネスフォンでは無かった、クラウドサービスとしてのセキュリティリスクを軽減してくれる事は大きなメリットと言えます。
クラコールPBXの悪い評判・口コミ4つ
悪い評判として、特に要注意なのは「海外利用ができない」「電話番号の引き継ぎができない」の2点です。
いずれも納得した上で利用する分には問題がないデメリットなので、ここで確認しておきましょう。
主要都市以外では地域番号は利用できない
クラコールPBXの良い評判として、主要都市では地域番号が取得できることが挙げられました。
反対に主要都市以外での地域番号の利用ができない点はデメリットとなります。
地域番号を希望する場合、利用可能エリアが拡充される場合もありますので、最新情報は公式HPにてご確認ください。
0120/0800以外の電話番号は引き継げない
0120-/0800-から始まる電話番号以外は、クラコールPBXに引き継いで利用できません。
特に代表番号などの主要な電話番号の変更は、企業にとってリスクや手間を感じるユーザーは少なくないでしょう。
現在利用中の電話番号を引き継ぎたいユーザーはクラコールPBXの利用を諦めるべきです。
利用端末の準備が必要
内線として利用する端末やソフトフォン(アプリ)はユーザー側で準備する必要があります。
推奨環境の価格はこちら
- IP電話機：GrandStream製IP電話機(１万～2万円)
- スマホアプリ：Cloud Softphone(無料) か Acrobits Softphone(AppleStore：860円、GooglePlay：680円)
- PCソフトウェア：Zoiper5(無料)
いずれも買い切り商品ですので、初期費用のみで利用できます。
ソフトフォン(アプリ)は無料で提供されるものもありますので、使い勝手や予算に合わせた選定をしましょう。
海外では利用できない
クラコールPBXは、日本国内向けのサービスとなっております。
主に海外で活動しているユーザーや海外の拠点を内線化したい企業は導入すべきではありません。
また、ワーケーションなどで海外での利用を想定しているユーザーにも導入のデメリットとなります。
クラウドPBXだからといって、どのサービスでも海外利用ができる訳ではないことに注意しましょう。
クラコールPBXはシンプルで低価格なクラウドPBXサービス
クラコールPBXの魅力はなんといっても提供サービスに対する価格の安さにあります。
特に6台以上の内線には基本月額料金が掛からないので、多数の内線を利用する場合に圧倒的な費用メリットが受けられます。
一方で、海外利用ができなかったり、既存の電話番号を利用できない点は、導入時に検討する必要があると言えます。
外部ソフトウェアの連携など、電話システムとして多くの機能を望まずにクラウドPBXとしての基本的なサービスだけを求めるのであれば、クラコールPBXは圧倒的なコストパフォーマンスを発揮するでしょう。
導入検討の際には、使い勝手や通話の音質を確認するために30日間の無料お試しから始めましょう。
