モバビジとは、クラウドPBXというスマホやPCを企業の内線電話機として活用できるサービスです。
スマホを会社の内線電話機として利用することで、外出先からも会社の固定電話番号を使った通話ができる等、様々な業務改善を進める機能が備わっています。
また、モバビジはクラウドPBXの不安要素でもある音声品質の劣化を防ぐための独自技術を盛り込むことにより、”最高峰音声品質”を謳っているサービスでもあります。
一方で、ネット上での悪評が目に付くサービスでもあり、導入検討は慎重に行う必要があるでしょう。
この記事では、モバビジの”サービス内容”や”利用料金”について解説します。
モバビジとは?概要3つを紹介
出典:モバビジ公式
モバビジは、運営会社であるクラウドテレコム株式会社が提供するクラウドPBXです。
もともとはフリービット株式会社が運営していましたが、2020年に事業譲渡されました。
モバビジのサービスについての概要は以下となります。
- ”最高峰音声品質”を謳う通話音質
- 独自のスマホアプリも使用可能
- 月額費用が安い
- 初月費用無料
- ネット上では悪評
モバビジの評判については、ネット上を見ると悪評がやや多いというのが現状です。
モバビジの評判については「サービスの安定性」「サポート体制の不満」より評判が悪くなっている場合が多く、導入の際は慎重な検討が必要です。
評判については以下の記事で詳細まで調査したものをご紹介しております。
ネット回線を利用した通話サービス
モバビジはクラウドPBXと呼ばれる、電話回線ではなくネット回線を利用した通話サービスを提供します。
クラウドPBXは従来オフィスに設置されていたPBXをクラウド上で管理することで、機器代の節減など、コスト面でのメリットを受けやすいサービスです。
モバビジのサービスを知るにあたり、クラウドPBXがどのようなサービスなのか知っておく必要があるでしょう。
ここでは簡単に、クラウドPBX導入のメリット・デメリットを紹介します。
機能面やコスト面でのメリットを受けやすい一方で、品質に関するデメリットがあります。
クラウドPBXの品質はサービス(運営会社)によって異なります。導入の際には事前に十分な調査・検討を行う必要があると言えます。
”最高峰音声品質”で通話できる
クラウドPBXで利用されるIP電話技術は、場合によって通話の遅延(ラグ)や途切れが起こるデメリットがあります。
モバビジはIP電話技術のデメリットを補うため、音声品質確保の工夫を凝らした”最高峰音声品質”を謳うサービスです。
仕組みとして、NTT東日本/西日本のひかり電話からNTTの専用網(NGN網)を経由しフリービットのクラウドPBX(SIPサーバー)へ接続する独自ルートを採用しています。
NTTの専用網を活用することにより、他社サービスで起こり得るプロバイダの品質による音質劣化を防ぎます。
また、通話品質が悪い場合にSIP接続(IP電話接続)から携帯電話の通話網にワンタップで切り替える機能など、通話品質へのこだわりを感じさせられます。
モバビジはNTTの専用網を活用するサービスなので、電話回線がNTT東日本/西日本のひかり電話であることが必須条件となります。
現在利用中の電話回線が条件を満たしていない場合は、導入時に別途NTTの回線変更工事が必要となります。
独自スマホアプリで操作に迷わない
出典:Google Play
モバビジでは、独自開発したスマホアプリを利用できます。
スマホアプリのデザインはビジネスフォンの見た目に似せて作られています。
これによりユーザーが外出先(スマホアプリ)でもオフィス(ビジネスフォン)と同じ感覚で操作できることを狙っています。
導入初期から迷わず利用できる点もメリットのひとつです。
モバビジの主な機能9つ
モバビジで内線電話機として登録したスマホやPC、SIP電話機を上手に使えば、電話業務を効率化することができるでしょう。
ここではモバビジの追加料金なしで利用できる機能を紹介します。
地域電話番号|市外局番から始まる電話番号が使える
03-/06-等の市外局番から始まる電話番号を利用できます。
クラウドPBXサービスの中には050-で始まるIP電話番号しか利用できないものもあります。
また、企業イメージとしても、地域電話番号があったほうが信頼されやすいこともあります。
地域電話番号が使えることは、モバビジのメリットと言えます。
発信・着信|外出先から固定電話番号を使える
企業の固定電話番号(03-/06-/050-等)からの発信、または着信ができます。
NTT回線の通話料金は別途必要です。
また、同一契約内のモバビジ端末同士での通話が無料となることもクラウドPBXのメリットです。
グループ着信|外線着信を複数台で鳴らす
1つの外線着信を複数台の内線電話に同時着信させます。
複数台鳴らすことで、応答者を限定せずに電話対応できるようになります。
もちろん、スマホに着信を鳴らせば、外出先で応答することも可能です。
保留転送|かけ直し不要で取次ぎできる
通話中の回線を保留して他の内線電話に転送できます。
社内で受けた電話を外出先のスマホへ転送できるので、取次の手間が減らせますし、お客様を待たせる時間も少なく済みます。
発信番号選択|複数の固定番号を使い分ける
固定電話番号を複数契約している場合に、ひとつの内線電話からどの番号を相手に通知させるかを選択できます。
例えば、部署ごとに固定電話番号を取得している場合に、仕入先には自部署の電話番号を、顧客には代表番号を通知させるように使い分けることができます。
電話先が認知している番号でかけることで相手側も安心して電話に出られるでしょう。
クラウド電話帳|電話帳登録の手間削減
システム共通の電話帳をクラウド上に保存できます。
従来であれば、個別の携帯電話に登録作業が必要でした。
クラウド電話帳を使えば、1人が登録するだけで全ての利用者が使える電話帳になります。
煩わしい電話帳登録作業を減らせることもクラウドPBXだからこそのメリットと言えます。
テキストチャット|些細な要件も気軽にやり取り
独自スマホアプリ内で、テキストチャットを利用できます。
通話するほどでない要件も気軽にやり取りできるので、上手く通話機能と使い分けましょう。
音声ガイダンス|作成したガイダンスを流せる
電話をかけてきた相手に、営業時間外(留守番電話)や、電話混雑時のお詫びなど、録音されたメッセージを流すことができます。
モバビジで予め用意されたメッセージだけでなく、ユーザーが用意したメッセージを利用できることも安心です。
着信優先機能|不応答による機会損失を防ぐ
内線電話に優先順位をつけて、外線着信を順番に鳴らすことができます。
最初に受付で鳴らし応答しなければ部署へ、それでも応答しなければ役職席へと大切な電話の機会損失を防ぎます。
モバビジの利用は「基本料金」+「端末利用料金」
モバビジの利用料金はネット上でも見当たらず、2022年7月現在公式サイトでも公開されていません。
そのため、2019年のカタログ記載の料金を入手し、参考に解説していきます。
下記リンク先よりPDFダウンロードしたものを参考にしております。
なお「オフィスのミカタ」の資料閲覧には会員登録が必須となりますのでご注意ください。
クラウドテレコム(モバビジ)へのカタログ請求は下記リンク先よりお問い合わせが可能となっております。
月額料金は、「基本料金」+「端末利用料金」となるようです。
基本料金|外線数に応じて決まる
プラン名 | 基本月額費用(税込み) |
スタンダードSプラン(外線8ch対応) | 4,950円 |
スタンダードLプラン(外線32ch対応) | 8,250円 |
スタンダードXプラン(外線50ch対応) | 13,200円 |
基本料金は外線のch数で決まります。内線通話の数はここではカウントされません。
外線のch数とは、外線(03-/06-等)の同時に利用できる回線数のことです。
例えば、外線8chだと7人外線通話中の社員がいても、1つの着信は受付けられますが、2つ目の着信は受けられなくなります(話し中状態)。
また、外線ch数はNTTへの申込み内容と合わせる必要があります。
端末利用料金|内線登録の種類/台数で決まる
モバビジID | 月額費用(税込み) |
モバビジアプリ | 385円/ID |
IP電話機(KX-HDV130N) フレキシブル機能キー2個 |
825円/台 |
IP電話機(KX-HDV230N) フレキシブル機能キー24個 |
1,045円/台 |
PoEHUB(BSH-GP08)8ポート | 605円/台 |
PoEHUB(TL-SG1005P)5ポート | 330円/台 |
モバビジアプリは、利用するスマホの台数分の申請が必要です。
IP電話機は、オフィスに設置するタイプで機能キーの数に応じた2種類が用意されています。どちらもレンタルする際はパナソニック製のIP電話機となります。
IP電話機を利用する場合、電源供給のためにPoEHUBかACアダプターのどちらかが必要となります。
PoEHUBとは、IP電話機にLANケーブルを接続するためのHUBに電源供給機能を持たせたものです。
ACアダプタから電源供給する場合は別売品を購入しましょう。こちらは買い切り商品です。
追加機器販売(固定IP電話用) | 販売価格(購入)(税込み) |
ACアダプター(KX-HDV130N) | 2,178円/台 |
ACアダプター(KX-HDV230N) | 3,278円/台 |
モバビジの参考月額料金
月額料金の参考としては、以下のようになります。
月額価格例) 外線4ch、IP電話機2台、スマホアプリ6台の場合
※IP電話機はPoEHUB接続とする
(IP電話機)825円 × 2台 = 1,650円
(モバビジアプリ)385円 × 6台 = 2,310円
(基本料金)4,950円 + (IP電話機)1,650円 + (モバビジアプリ)2,310円 + (PoEHUB5ポート)330円
=9,240円(税込み)
外線が8chまでなら、スマホ6台とオフィス用にIP電話機2台を利用して月1万円に収まるので月額料金として安いと言えるでしょう。
ただし、前述したように利用料金が公式サイトに公開されていないので、機器設置などの初期費用が不明です。
導入検討の際には必ずクラウドテレコムもしくは代理店に確認しましょう。
【まとめ】モバビジ導入は実機検証するのがおすすめ
音声通話は社内外問わず重要なコミュニケーションツールです。
通話中に遅延(ラグ)や途切れ、一方への通話が聞こえない等のトラブルが度重なるようではインフラサービスとして利用し続けるの困難でしょう。
モバビジではスマホ内線の通話品質劣化に対し、技術的な要素で対策を行っております。
「スマホを内線化して社内コミュニケーションを活性化させたい。しかし通話品質の劣化が気になる。」
という企業にとって、モバビジのサービスは有力候補となり得るでしょう。
しかし、記事冒頭でも紹介しましたが、ネット上での悪評に不安を感じます。
ここまで解説したとおり、通話品質にこだわるサービスとして期待されるだけに残念な評価となっています。
導入後のトラブルを招かない為に、導入検討の際は評価について確認することや無料トライアルで実際の利用環境で試してみることをおすすめします。